1. 手紙営業の効果は、何を成果とするかで変わる

手紙営業の効果を判断するには、まず「どの企業の、誰と、どんな話ができたらよいか」を決めます。発送が完了したこと、担当者と会話できたこと、商談が実施されたことは、別の進捗です。

公開事例のアポ率を参考にするときも、日程確定を数えているのか、商談実施を数えているのかを確認します。分母が送付通数なのか、対象企業数なのか、電話で話せた人数なのかによって、数字の意味も変わります。

THRUでは、狙った企業の会うべき人との接点を重視します。本記事では、自社で手紙営業を検証するための集計方法を示します。掲載する数値は計算用の仮定であり、THRUの実績や平均アポ率ではありません。

2. 送付から商談まで、工程ごとにKPIを分ける

発送数だけを見ていると、誰に届き、どんな反応があったかが残りません。一方で、商談数だけでは、商談にならなかった理由が分かりません。工程ごとの事実を記録して、どこに追加の確認が必要かを見ます。

配達済みであっても、宛先の本人が開封したとは限りません。確認できていない開封数を推計して、成果として報告しないようにします。

表は横にスクロールできます。

手紙営業で記録する主なKPIと単位
工程記録する指標数え方の注意
企業選定選定企業数・調査完了企業数同じ企業を重複して数えない
送付送付企業数・送付人数・送付通数再送や一社複数名への送付を区別する
フォロー架電数・会話できた対象人数同じ人への複数回の会話を区別する
接点創出連絡先取得人数・関心を確認できた人数連絡先の取得と関心の表明を分ける
商談日程確定数・実施数・実施企業数日程変更・中止・複数回商談を区別する
営業の進展案件化企業数・受注企業数営業担当と条件をそろえ、後から追記する

3. アポ率・商談率の分母を決める

同じ施策の結果でも、人数で見るか、企業で見るかによって率は変わります。手紙を送った人物を起点に評価するなら送付人数、狙った企業との接点を評価するなら送付企業数を分母にします。

次の表では、日程が決まった人の割合を「アポ獲得率」、商談を実施した人の割合を「商談実施率」としています。社内で別の名称を使う場合も、集計式をレポートに添えておけば比較しやすくなります。

人数・企業数を基準にした集計式の例
指標計算式
アポ獲得率(人数基準)日程確定した対象人数 ÷ 送付対象人数 × 100
商談実施率(人数基準)商談を実施した対象人数 ÷ 送付対象人数 × 100
商談到達率(企業基準)商談を実施した対象企業数 ÷ 送付対象企業数 × 100
会話からの商談実施率商談を実施した対象人数 ÷ 会話できた対象人数 × 100

4. 40社・50名へ送付した場合の計算例

40社の合計50名に一通ずつ送り、同じ50名を一定期間追ったと仮定します。そのうち10名と会話でき、4名の日程が確定。集計時点で3名と商談を実施し、その3名が2社に所属していた場合を考えます。

このケースでは、人数基準の商談実施率は6%、企業基準の商談到達率は5%です。どちらも正しい計算ですが、示している内容が違います。人数と企業数を入れ替えて比較しないことが大切です。

表は横にスクロールできます。

すべて仮定の数値です。実績・業界平均・成果予測ではありません。
項目計算結果
アポ獲得率(人数)4名 ÷ 50名 × 1008%
商談実施率(人数)3名 ÷ 50名 × 1006%
商談到達率(企業)2社 ÷ 40社 × 1005%
会話からの商談実施率3名 ÷ 10名 × 10030%

5. 商談獲得単価には、調査とフォローの費用も含める

費用を振り返るときは、手紙の制作・郵送だけでなく、企業・人物の調査、文案の設計、フォローコール、進行管理など、同じ施策にかかった費用をそろえます。内製の場合も、作業時間を把握しておくと、続けられるかを判断できます。

たとえば、ある施策の総費用を24万円、実施商談を3件と仮定すると、実施商談1件あたりは8万円です。これは計算例であり、THRUの料金表ではありません。商談を実施した企業が2社なら、商談先1社あたりの費用は12万円となります。

初期設計費を含めた初回と、含めない継続回を、そのまま比べることも避けます。何の費用を含めたか、どこまでの成果が確定したかをそろえてから見直します。商談が0件の時点では単価は算出できないため、未確定として費用と進捗を併記します。

商談獲得単価が安くても、対象外の企業との面談が多ければ目的には合いません。相手の役割、提案の適合性、次の検討につながったかも合わせて評価します。

6. 同じ送付対象を、同じ期間で追う

今月の送付数を分母にして、先月送った手紙から生まれた商談まで分子に入れると、施策の効果を読み違えます。「いつ送った、どの対象か」をひとまとまりにして追い、月内に実施した商談の集計とは分けましょう。

たとえば発送日から30日までの途中経過、その後60日までの結果を記録する、という方法があります。30日・60日は運用例です。配送やフォロー、相手の検討期間に合わせて決め、比較する施策では条件をそろえます。

40通の施策で商談が1件増えると、通数を分母にした率は2.5ポイント変わります。少数の結果だけで文面の優劣を決めず、実際の返答と合わせて次に確かめる仮説を立てます。

7. 反応から、企業・宛先・文面・フォローを見直す

結果を振り返るときは、「アポが少なかった」で終わらせず、止まった場所を特定します。担当違いなら人物の選定、関心がないなら提案の接点、会話できていないなら連絡経路など、次に調べる内容が変わります。

手紙と電話を組み合わせた施策で商談になっても、その結果から手紙だけの効果を切り分けることはできません。「レター+フォローの結果」として記録し、相手がどの接点を覚えていたかも確認できた範囲で残します。

状況から次の改善を考える例
分かったこと次に確認・改善すること
返送・宛先不明がある送付先住所、所属、異動情報を確認する
担当する業務ではないと言われる提案テーマに関わる部署・役割を選び直す
担当者と会話できていない電話番号、連絡時間、相手の指定した経路を確認する
内容は伝わるが関心につながらない企業の方針と提供価値の接点、優先時期を見直す
商談が中止・延期になる相手と合意した目的、参加者、実施時期を確認する
商談後に検討が進まない受注条件、提案の適合性、社内検討に必要な情報を確認する

8. 手紙営業の効果測定についてよくある質問

平均アポ率は何%を目標にすればよいですか?

公開された数値だけで自社の目標を決めず、対象企業・商材・役職・フォローの有無・集計式を確認してください。まずは条件を決めて実施し、自社の接続状況と商談実施の結果を基準に、次の目標を見直します。

手紙を送って、すぐに商談がなければ失敗ですか?

発送直後では、フォローや日程調整が終わっていない可能性があります。あらかじめ観測期間を決め、到着、会話、関心、日程確定、実施を分けて確認します。一方で、反応がないまま通数だけを増やさず、対象と提案理由を点検します。

社内の営業担当から、何を共有してもらうとよいですか?

商談の実施有無、参加者の役割、確認できた課題、次の行動、案件化・失注理由を戻してもらいます。手紙や電話の段階で立てた仮説と照らし合わせ、次の企業選定と文面に反映します。

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