1. 企業リストを集める前に、受注条件を整理する
大手企業の新規開拓では、まず「どんな企業なら、自社の提案が役立つか」を具体化します。売上規模や従業員数は候補を絞る入口ですが、それだけでは営業する理由になりません。
既存顧客について、導入前の課題、導入を決めた部署、予算、社内調整の条件を振り返ります。新しい商材で実績が少ない場合は、想定する利用部門と提供価値を仮説として書き出し、事実と分けて管理します。
- どの業務・部門の課題に対応できるか。
- 想定単価や提供体制が、その企業の条件に合うか。
- 導入に必要なシステム連携・現場運用・社内承認は何か。
- 導入後も継続して支援できるか。
2. 「取引したい」と「提案する理由がある」を重ねる
候補企業ごとに、商材との相性と企業の動きを確認します。重点事業への投資、拠点の拡大、組織変更などが、自社の提案とどう結びつくかを考えます。
優先度は、担当者による印象の差が出にくいように基準をそろえます。高・中・保留といった区分で十分です。情報が見つからない企業を、理由なく高い優先度にしないことが大切です。
表は横にスクロールできます。
| 観点 | 確認すること | 判断の例 |
|---|---|---|
| 事業との相性 | 提案が役立つ業務・部門があるか | 対象業務が明確なら優先候補 |
| 動く理由 | 投資・出店・事業方針との接点があるか | 具体的な取り組みと結びつけば優先 |
| 導入条件 | 予算・運用・提供範囲が合うか | 条件が不明なら追加調査 |
| 接点の見通し | 部署・役職・連絡経路が確認できるか | 確認済み情報を基に方法を設計 |
3. 代表者名だけでなく、会うべきキーマンを考える
企業が決まったら、提案に関わる役割を整理します。予算を決める人、導入を検討する責任者、日々の運用を担う人が、同じとは限りません。
全社の事業方針に関わる提案なら役員、部門の課題なら本部長・部長、具体的な運用の把握なら現場の担当者が入口になることもあります。役職の高さだけで選ばず、提案テーマとの関係から判断します。
会社サイトの役員紹介、組織・人事の発表、IR、事業のニュースなどを確認します。役職や所属は変わるため、情報源と確認日を残し、送付前にもう一度確かめます。確認できない名前や役職は推測で埋めません。
4. リストには「なぜこの企業なのか」を残す
企業名と電話番号だけのリストでは、手紙を書く人や電話をする人が、毎回営業の背景を調べ直すことになります。選定理由と会話の仮説まで残すと、調査を次の工程へ引き継げます。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 対象企業 | A社/多店舗展開の企業 |
| 提案商材 | 店舗向けの教育・運営支援サービス |
| 会うべき人 | 店舗運営本部の責任者(氏名は調査中) |
| 企業の動き | 新規出店と店舗運営の標準化を推進する想定 |
| 提案の仮説 | 店舗ごとの育成・運用のばらつきを減らす |
| 根拠・確認日 | 実際の運用では公開資料のURL・該当箇所・確認日を記録 |
| 次の行動 | 方針と担当部署を確認して、文面を設計 |
5. 100社は、数を埋めるための目標ではない
「会いたい100社」は、営業先を具体的に決めるための考え方です。市場の広さ、商材の単価、調査に使える時間によって、適切な対象企業数は変わります。
最初は候補の一部を詳しく調べ、選定基準が使えるかを確認します。担当部署が見つからない、提案理由が弱いといった場合は、候補を増やす前に基準を見直します。商談で分かった導入条件も、次の企業選定に戻します。
6. ターゲット選定を、手紙と商談につなげる
選定が終わったら、「なぜ御社なのか」「なぜ今なのか」を一社ごとの文面に落とし込みます。調査した内容と、相手に話を聞いてもらう理由は、必ずしも同じではありません。自社がどう役立つかまでつなげることが必要です。
THRUは、受注条件の整理、企業・キーマン調査、文面設計、直筆レター、フォローコールまでを一つの流れで支援します。まずは取引したい企業と、その企業を選んだ理由から整理します。